デカダンと伝統の宵

金曜日
昼間、絵の仕事の資料を集めたり。
夕方から、mixi友人kohさん主催、某ゲスト様をお呼びする鵜飼へ行って参りました。
私はまた同じ藍の浴衣。

まず、川原町泉屋 さんにて、洒落込んだ天然鮎フルコースを頂く。

 グリッシーニと小さな鮎のなれ鮨。チーズのような味わいがぴったりで新鮮な驚き。
 天然鮎の塩焼きはそれだけで芸術的な美しさで、鮎の小さなギザギザの歯も一緒に頭から柔らかくほおばりました。

最後は山椒のシャーベット、なれ鮨とホワイトチョコを練った小さなデザート。
絶品でした。

そして、日が落ちて来た頃。。。
貸し切り鵜飼船に乗り込み、幻想の世界へ。
食べ物はkonさん(や皆さん)が持って来てくださったシャンパーニュとパテとスモークとチーズと・・・。
全て感動的な美味しさ。

鵜飼は、数発の、花火とともにはじまる。

赤松のかがり火は、雨の中も消えないという力強さで、火の粉を水面に映しては落として激しく揺れていました。
水は清く、浅く、指を浸すと心地よい冷たさ。

「なんということだ」とおっしゃったゲスト様の陶然としたお顔が忘れられません。

あまり多くは語れませんが、幻想の宵でした。

さらにそのあと、柳ケ瀬に。ジャズから広くのジャンルのかかるぼんやりといした灯りが心地よいお店で皆さんでおしゃべり。私は中座して帰ったのですが、とても長く居たいお店でした。

皆々様、そしてゲストとともに、参加した全員を陶然とさせた、kohさんのホスト力に脱帽、大感謝です。
ありがとうございます。

土日は祇園へ。
そう、次の日に予定があったから中座した柳ケ瀬の宵。
前々から行きたかった、紅蝙蝠さんに行く。

http://www.kyogocan.com/

新幹線で京都までは、一瞬で。

祇園の入り組んだ小径をくねくねと歩き、小さな看板をみつける。
金子國義画伯プロデュースのお店。
切り子ガラス、オールドバカラ、青いガラスの取っ手の引き戸。
ろうそく。
美女や美青年の古い写真。獣のような脚のチェスト。

古くからの友の部屋に相似したものばかり置いてあるお店で、とても落ち着くお店でした。

桑カプチーノの頂き、のんびり。
明るい色と大きな柄に惹かれて、牡丹にフランス語の詩が書いてある、白地の美しい浴衣を購入してしまいました。

藍の浴衣で今年も通す気と、母や友人に心配されていたのも、もう安心。

別の店で、友は八咫烏の夏着物を購入。仕上がって来たらどんなに似合うだろうと、とても楽しみ。

夕ご飯を頂いてから、もう一度、夜の祇園にいく。
闇に落ちる店の灯りが、柔らかい。蛍はもういないけど、町が蛍のようだ。

同じ紅蝙蝠の夜の顔はバー。
CAMPARIカクテルの「よこしまな天使」をのんですこししたら、
まさかのご本人、金子國義先生がいらっしゃった。
お店の方が、「昼間浴衣をかってくださったのですよ」と紹介してくださって、
先生とひと二言、会話をした。

私は回転が遅いのでまったく気の利いたことが言えない。
金子先生のあがって行かれたお二階からの気配を感じながらまったりと過ごす。。。

日曜は昼過ぎに帰宅して、デカダンの気持ちのまま、夢野久作の下絵を描いた。

贅沢三昧の3日。
肌にも気持ちにも貼りができた。

また先週のように湯上がりに舌が真っ白にならぬよう、気をつけて労働したいものです。