目のはなし

いまだ裸眼の私だが、左右の視力は開いていくばかり。
いまは0.7くらいは差があるのではないだろうか。

昔からとても軽いが斜視があり、ものをずっと一点にみつめている
と二重に見えた。
そのせいか分からないけれど、小さい頃から異世界のように「本当の」世界を見つけようとしていた。

宮沢賢治の詩「春と修羅」に
「全て二重の風景を 喪神の森の梢から ひらめいて飛び立つ烏」
という箇所がある。

私はこの詩を愛読し、暗唱し、今も心に刻んでいる。
彼のみた世界を、私も見れる日がくるのだろうか。